OnTime for Microsoft Ver.6.4.0 について

目次

今回の注目点

Ver.6.3.xからVer.6.4.xへは長く時間が掛かりましたよね。弊社からもお詫び申し上げます。
今回は以下の3点に注目します。

  • 「OnTime日程予約」がオプションから基本ライセンスの標準機能に
    各自が会議可能時間を解放して、お相手が会議や面会を予約する機能が標準機能としてバンドルしました。
  • プロファイル画面の拡充
    従業員IDの反映やカスタム項目の概念などアカウント属性の活用がワンステップ上がりました。
  • 全ての同期機能がGraph APIに対応
    最後の難題だったアクセス権同期も対応、イベント同期エンジンもEWS API同様に内蔵しました。

「OnTime日程予約」がオプションから基本ライセンスの標準機能に

そもそもOnTime日程予約とは?

OnTimeにはよく似た機能として以下の2つが存在しています。

  • OnTime日程調整
    主催者が、複数の会議日程を候補として提示して、参加者全員の希望を投票いただき日程を決めてそのまま会議を開催できる機能。
  • OnTime日程予約
    誰もが自身が会議可能な日時を開放した専用リンクを準備、打ち合わせをしたい人がリンクから希望日時を指定して相談をする。受け付けた後、承諾する場合は会議を開催する機能。

どちらもまとめてOnTime日程予約オプションとして提供していました。今回、後者の「OnTime日程予約」を切り出して標準機能として提供することとなりました。OnTime日程予約については以下の紹介ページを参照ください。

ご利用のための設定

OnTime管理センターの設定箇所

Ver.6.4.0にアップグレードすると管理者は以下の設定を行うことで「OnTime日程予約」を利用できる人を指定できます。
「日程管理設定」の画面上部のURLにOnTimeでご利用の公開用URLを指定します。
次に「日程予約」タブで利用可能なアカウントを指定します。

各ユーザーの利用方法

利用可能な各ユーザーは、自身のOnTimeクライアントから「日程予約」タブを開き「+」ボタンから新規作成できます。作成すると専用のURLが作成されます。ちなみにマニュアルはまだ整備されていないようですねぇ。

プロファイル画面の拡充

プロファイル画面だけじゃない!

今回、様々な機能を追加実装したことで一番効果を実感できるのがプロファイル画面と考えています。
ここでは管理者の皆様にも設定変更箇所がご理解いただきやすいようにパートを分けてご案内します。

従業員IDとマネージャーの取得

従業員ID(EmployeeID)とマネージャーの属性をOnTimeに同期するようになりました。従業員IDはMicrosoft 365 管理センターやExchange 管理センターには存在しない項目ですよね(2026年7月現在)。Microsoft Entra 管理センターにだけ存在するようです。マネージャーはExchange 管理センターの組織情報に昔から存在しています。
この2つの属性を同期するためには、ディレクトリ同期方式が「Graph方式」でないと同期しないのでご注意ください。

ディレクトリ同期をGraph方式に

ディレクトリ同期はドメイン設定でGraph方式に設定しないとGraph APIを利用した取得ができません。

Entra管理センター 従業員ID

従業員IDだけでなくマネージャーも登録出来ます。

Exchange管理センター マネージャー

組織情報の編集で登録が可能です。

従業員IDの用途

従業員IDはメインビューのユーザーの並び換え順(ソート)の設定に使えます。
従来のように並び替え順のため、フリガナとともに従業員IDで貴重なカスタム属性1つを利用しなくてよくなります。
もちろん、今回のプロファイル情報の拡充にも使えますがその件は後述します。
並び替え順については以下のマニュアルページを参照ください。

カスタム項目というアイデア

OnTimeは「組織スケジュール」という機能だけでなく結果的に「組織ディレクトリ」としての側面も持っています。となると既存のユーザー属性だけでは各組織のニーズに即さないと考えてきました。そしt、Domino版で実装していたカスタム項目というユーザーやリソースに自由に追加できる項目をMicrosoft版に実装出来ないかを模索してきました。Domino版はDomino自体がカスタマイズを許可しているので項目自体を追加するのは簡単でした。Microsoft版は極力Microsoftの思想に準拠して且つOnTimeで自由に利用したい。そのような設計思想から生まれたのが今回の「カスタム項目」です。

Microsoft Entra のカスタム属性の利用

かねてからOnTimeは情報の分散や二重登録を好まず、極力Entraに情報を集約いただき、そのデータを活用できるように開発してきました。その結果、自由に利用できる項目のデータもEntraの情報を利用すべきという帰結は簡単です。そういう箇所はMicrosoftも準備していてカスタム属性として15個の項目を開放してくれています。カスタム項目については以下のFAQも参照ください。

今回OnTime側で新しく準備したのはこのカスタム属性に項目名を設定し、その項目名の情報として名前書式やプロファイル情報や名前書式で使えるようにしました。

名前書式のカスタム項目の設定方法

項目の選択肢としても選択できます(会議室の行2)。
「拡張書式設定」を選択すると、プロファイル情報のようにラベルも指定できます(ユーザーの行2)。

OnTimeクライアントの名前書式の表示イメージ

プロファイル情報への統合

プロファイル情報のカスタム項目の設定方法

前述した日程予約機能をカスタム属性で管理、従業員ID、マネージャー、カスタム項目は全てプロファイル情報に表示出来ます。

フロントエンド設定に従業員IDやマネージャーだけでなく、カスタム1,カスタム2、カスタム3があり、ラベル文字列の入力と利用するカスタム属性を選択できます。もちろん会議室や備品にも設定できます。

OnTimeクライアントのプロファイル情報の表示イメージ

従業員IDなども表示しています。
データがメールアドレスやURLリンクの場合は自動的にリンクになりメール作成画面やWebページが開きます。

ここで前述の「OnTime日程予約」で準備したURLを社内の「1 on 1ミーティング」用のリンクとしてカスタム項目の1つに設定しておけば、プロファイルの人との会議を相談できるということです。

各ユーザーのカスタム属性への登録はどうする?

ここでお気づきのように、各ユーザーが自身のカスタム属性にURLリンクを登録出来るようにしたり趣味を登録できる環境を整備しないといけないですよね。是非PowerAppsなどで登録ワークフローなどを開発してみてください。

全ての同期機能がGraph API対応に

OnTimeの同期機能とは?

そもそもOnTimeは以下の5つの同期機能を中心とした製品と考えます。そこにOnTimeクライアントが添付され、組織のカレンダー表示やイベント作成機能、ディレクトリ検索機能が提供されているというイメージです。

  • ディレクトリ同期
    ドメイン設定で設定したディレクトリ(Microsoft Entra ID(旧Azure AD)やActive Directory)からユーザーやグループアドレスの属性を取得します。
  • ユーザーとグループ同期
    各メールアドレスの属性を取得します。グループアドレスの場合は、グループの展開も行いアカウントの属性を取得します。
    通常はディレクトリ同期を行うと自動実行されます。
  • 写真画像同期
    ディレクトリ(Microsoft Entra ID(旧Azure AD)やActive Directory)の属性として保存されている写真画像を同期します。
  • アクセス権同期
    メールボックスで設定されたアクセス権及びOnTime管理センターで設定されたロール権限を展開して更新します。
  • カレンダーイベント同期
    メールボックスの予定表のイベントをリアルタイムで更新します。
    Outlookやサードパーティー製品からの更新であってもOnTimeはMicrosoftから通知を受けて更新します。

最後の「アクセス権同期」のGraph方式の実装

上記のうち「アクセス権同期」がいよいよGraph API対応とおなりました。正直なお話をするとEWS APIで提供されているメールボックス予定表フォルダのアクセス権情報とGraph APIで提供されているそれでは若干違っていたのです。しかし現時点でGraph APIの仕様のアップグレードにあわせ今回のVer.6.4.0でなんとか合わせることができました。
アクセス権同期をGraph方式にする場合は、ドメイン設定でアクセス権同期方法で「Graphを使用」を選択してください。

ちなみに続く「Customの場合の置換」とは、メールボックス予定表フォルダに設定されているアクセス権の種類がGraph APIに無い場合にCustomとして返されてきます。それをどのアクセス権に合わせるかを組織に合わせて選択できます。通常は「すべての詳細を表示」を選択してください。

カレンダーイベント同期のGraph対応 第2弾 内蔵化!

Ver.6.3でOnTimeはGraph方式でカレンダーイベント同期を実行できる外付けの「OnTime同期ハブ」を開発しました。
なんと欧州のご利用実績では、OnTimeサーバーと同じ筐体に「OnTime同期ハブ」を実装してMicrosoftからの通知も受信しているお客様が多いことが確認できました。
ならばということでOnTimeは同等機能をOnTimeサーバーに内蔵することに決定しVer.6.4で実装いたしました。
これによりVer.6.4.0よりGraph方式のカレンダーイベント同期は構築環境に合わせて「内蔵Graph方式」と外付けの「OnTime同期ハブ」の2つの選択肢を提供できるようになりました。内蔵エンジンである「内蔵Graph方式」は「OnTime同期ハブ」と比べて以下のような特徴があります。

  • ネットワークトラフィックが軽減。
    通知情報はOnTimeサーバーの内部処理なのでOnTime←同期ハブのトラフィックが無くなる。
    ポートの受信構成はOnTimeクライアントと共存も可能。
  • 設定が簡単。
    ネットワーク構成などは既存の設定と共有します。
  • アップグレードが簡単。
    プログラムに内部実装なのでOnTimeのアップグレードで同期エンジンも自動でアップグレードされます。
  • マシンへの負担が減る。
    別々のプログラムを実行させる必要がなくなるので負荷が減ります。

可能であれば内蔵Graph方式を推奨します

以下の2点が課題でない限り、日本総代理店の有限会社アクセルと認定パートナーの株式会社OnTimeは「内蔵Graph方式」を推奨いたします。

  1. ご利用ライセンスが3万から5万ライセンス程度である。
  2. 現在のOnTimeサーバーはOnTimeモバイルクライアント含めて外部からの接続ができない、または構成変更ができない。

「内蔵Graph方式」の設定方法

既存のドメイン設定の情報を共有するので設定項目はいたってシンプルです。

ドメイン設定の「同期方法」タブでカレンダーイベント同期方法を「Graphを使用」を選択します。

次に「イベント同期エンジン」タブでイベント同期エンジンを選択を「内蔵Graph方式」を選択します。

あとは「内蔵Graph方式」の通知用URLを指定するだけです。

この通知用URLについて説明します。MIcrosoftのEWS APIの仕様では既にOnTimeサーバー側からMicrosoftに接続されたセッション内でリアルタイムに通知を受け取っていました。しかしMicrosoftのGraph APIの仕様では方式が変更となり、新しく提供された方法の中でOnTimeは世に大変普及しているWebhookの仕組みを利用して開発しました。
Webhookとは、あるWebアプリケーションで特定のイベント(データの追加や更新など)が発生した際に、外部のURL宛にリアルタイムで自動的にデータや通知を送信する仕組みです。

なのでこの通知用URLにはMicrosoftに指示する受信可能なサーバーとポートを登録します。現在ご利用の構成で外部からOnTimeクライアントが接続できているなら、同じ経路を利用できるので同等のサーバー名とポート番号を利用できます。設定は以上となります。詳細についてはマニュアルを参照してください。ちなみにマニュアルはまだ整備されていないようですねぇ。もうすぐかな。

リリースノート

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