OnTime for Microsoft Ver.6.3.0 リリースについて

今回の注目点

今回のリリースは大きく以下の3点でしょう。

  • Microsoft Graph APIを利用した新イベント同期エンジン「OnTime同期ハブ」の実装
  • 公開グループや共有グループをマイグループ内で別名を付与できる
  • Microsoft365テナントでOnTime同期対象を増やした際にディレクトリ同期を実行せずユーザーを追加できる

順に見ていきましょう。

新イベント同期エンジン「OnTime同期ハブ」の実装

ディレクトリ同期は既にGraph化済み

既にOnTimeはディレクトリ同期などはEWSかGraphかを選択して使えるようになっていました。
ちなみにディレクトリ同期はGraphに切り替えることでEWSのスロットリングの影響を受けずに最大2倍の高速化のテスト結果も出てるよう。

EWS APIに存在してGraph APIに無い機能を新規開発

今回はOnTimeの真骨頂であるリアルタイムのイベント同期がGraphに対応したということです。
ちなみに、EWSはイベントの変更があれば通知する機能が備わっており、OnTimeはその通知を全てのメールボックスで把握することが出来るのが素晴らしかったのです(自画自賛)。
しかし、Microsoft Graph APIにはその機能がありません。それゆえ今回の「OnTime同期ハブ」はAPIを切り替えるという単純なものではなく、その通知機能的な部分もOnTimeが開発し独自エンジンとして実装したということのようです。

複数のカレンダー基盤と複数のOnTimeサーバーとを接続するハブ

この「OnTime同期ハブ」という独立したエンジンを設計するにあたり、カレンダー基盤と接続するAPI部分をパッケージ化することで、まずはExchange Online用のMicrosoft Graph API、継続提供されるオンプレExchange用のEWS APIを実装しました。またOnTimeサーバー側も複数のサーバーと接続できるようにすることで、OnTimeサーバーの冗長化と負荷分散や、OnTimeクライアントのレスポンス向上も実現させようとしています。

本番利用はもう少し先?

また開発にあたって従来のApacheのJavaからNode.jsで動作するJSにコード実行環境を移行しています。
EWSもまだまだ1年以上利用できることをMicrosoftも明言しています。
Ver.6.3.0もGraph接続を有効にしなければ、まったく従来と同じEWS方式で利用を継続できます。
まだ英語も日本語もマニュアルの整備もこれからって感じなのでOnTime同期ハブの利用はもう少し先でよさそうです。

OnTime同期ハブの詳細はFAQの別ページが作られていますのでそちらも参照ください。

マイグループ内でグループ名に別名を付与

これはOnTime for Dominoで1年ほど前に実装されていた機能の移植ですね。やっとです。
こちらは既にマニュアルが更新されていますね。

マイグループ内では文字コード順にグループが並ぶのでよく利用するグループは上位に来るように名前を変更できます。
また、バックスラッシュ(\)を別名に含めることでグルーピングと階層化を行えます。
例えば、公開グループでは以下のように階層化がされていたとします。

  • 東京本社
    • 総務部
    • 営業部★
  • 大阪支社
    • 総務部
    • 営業部★
    • 技術部

★マークだけをマイグループで見ると、、、、

  • 東京本社
    • 営業部★
  • 大阪支社
    • 営業部★

となるところをそれぞれ「営業部\東京本社」「営業部\大阪支社」と別名を付けると以下のようになります。

  • 営業部
    • 東京本社
    • 大阪支社

自分に関係ある部署だけを管理しやすくなります。この機能も日本のお客様からの要望をアイデアに実装されました。ぜひ活用してください。

ディレクトリ同期をせずに手動で個別ユーザーを追加

大規模組織向け?

OnTimeは同期対象を個別のユーザーのメールアドレスで指定するだけでなく、Exchange配布リストかExchangeメールアドレス付きセキュリティグループを指定できます。
このグループにユーザーが新しく追加された際に、本来は夜間のメンテナンスタスクと同じく以下の同期をする必要があります。

  1. ディレクトリ同期(必須)
  2. ユーザーとグループ同期(必須)
  3. アクセス権同期(必須)
  4. イベント同期(必須)
  5. 写真同期

今回のこの機能が実装されたことで「1.ディレクトリ同期」を追加されたユーザーのために全ユーザーの更新をしなくても済むことになります。

「手動で個別ユーザーを追加」の実行方法

実行方法は、OnTime管理センターのドメイン設定/同期対象タブにボタンが表示されます。

Microsoft365管理センターで配布リストにユーザーを追加するとこんな画面(2ユーザー追加した)

「同期2ユーザー」をクリック。するとアワーグラス。

処理が終わるとボタンは消える。

メンバー一覧に移動するとユーザーが増えているのが確認出来ます。

これ、いろいろ試しているんですが動きがよくわからない。例えば以下の感じ。。。メーカーに確認すすめています。

  • Microsoft365テナント側でAPIで情報取得するまで遅延があるみたい。
  • ユーザーだけ利用できて、会議室、備品、共有席は利用できないみたい。
  • どんな処理をすれば、ボタンが表示されるかがわかりづらい。

ということで、まだ荒削りのところがあるようで、最初に記載したとおり、フル同期に大変時間が掛かる大規模組織向けと考えてもうしばらく機能を確認進めます。

「3.アクセス権同期」「4.イベント同期」はメンバー一覧画面から

「2.のユーザーとグループ同期」は動的表示グループの更新が必要なのでフル実行が必要ですが、
「3.アクセス権同期」「4.イベント同期」はメンバー一覧画面から追加されたユーザーに関連するアクセス権だけ更新可能です。
追加されたユーザーのチェックボックスを選択してヘッダーメニューから「選択したメンバーを同期」を実行です。

リリースノート

  • URLをコピーしました!
目次